このページでは『オファリングレシオについて』解説していきます。
オファリングレシオは、IPOの初値予想の際に重要なデータになってきます。そこでこの記事では、IPOのオファリングレシオについて初心者向けに分かりやすく解説していきます。
本記事の内容
- オファリングレシオとは
- オファリングレシオは低いほど初値が上昇しやすい
- 15%以下なら初値の上昇が期待できる
- 45%以上なら応募は慎重に
- オファリングレシオの簡単な調べ方
すぐにIPOの初値との関係性が知りたいという方は、【オファリングレシオが15%以下なら初値の上昇が期待できる】へジャンプして下さい。
それでは詳しく解説していきます。
オファリングレシオとは
オファリングレシオとは、IPO株の流動性を表す指標です。
IPO(新規上場)の際に、すでに発行している株式の中で、どれだけの株数を市場に新規公開するかを表す数値で、〜%で表されます。
ポイント
英語では『Offering Ratio』となります。0fferingは「募集」という意味で、Ratioには「比率」という意味です。つまり直訳すれば募集比率となります。
オファリングレシオの計算方法
オファリングレシオの計算方法は簡単です。
あるIPO株が、すでに発行している株数が100万株だとします。そのうち30万株を市場に公開したら、オファリングレシオは30%になります。
オファリングレシオの目安はどれくらい?
オファリングレシオの数値は、25%前後になることが多いです。
2022年のIPO実績の計54社から見ると、オファリングレシオの平均値は25.7%となっています。
平均値 | 25.7% |
最小値 | 6.0% |
最大値 | 64.9% |
2022年10月8日現在
オファリングレシオは、低いほど初値が上昇しやすい
一般的にオファリングレシオは低いほど、初値が上昇しやすい傾向があります。
オファリングレシオが低いと、IPOによって市場に公開される株式数が少ないということなので、投資家の需要が高まり、初値が上昇しやすくなります。
反対に、オファリングレシオが高いと、市場に公開される株式が多く、投資家の需要は低くなり、初値が上昇しにくい傾向があります。
オファリングレシオとIPOの初値の関係性
実際にオファリングレシオが15%以下のIPOは、 初値騰落率が平均値で+73.2%(1.73倍)と初値が高くなる傾向があることがわかります。
一方でオファリングレシオが40%以上のIPOは、初値騰落率が平均値で+7.7%(1.18倍)と初値が低くなる傾向があります。
オファリングレシオ | 件数 | 平均初値騰落率 |
---|---|---|
15%以下 | 8件 | +73.2% (1.73倍) |
15%〜30% | 28件 | +51.1% (1.51倍) |
30%〜40% | 13件 | +41.5% (1.42倍) |
40%以上 | 7件 | +7.7% (1.18倍) |
2022年10月8日現在
オファリングレシオが「15%以下」なら初値の上昇が期待できる
さらにオファリングレシオが15%以下の8件を詳しく見てみると、勝率が100%(初値が公募価格を上回る確率)です。
また、平均利益は+91,512円といずれも好成績を残しています。
スクロールできます →
IPO企業 | オファリングレシオ | 公募価格 | 初値 | 初値売り利益 | 初値騰落倍率 |
---|---|---|---|---|---|
ANYCOLOR | 6.0% | 1,530円 | 4,810円 | +328,000円 | 3.24倍 |
トリプルアイズ | 9.1% | 880円 | 2200 | +132,000円 | 2.50倍 |
日本ビジネスシステム | 11.5% | 1,520円 | 1,827円 | +30,700円 | 1.20倍 |
エアークローゼット | 12.3% | 800円 | 910円 | +11,000円 | 1.14倍 |
フルハシEPO | 12.4% | 1,140円 | 1,733円 | +59,300円 | 1.52倍 |
CaSy | 12.8% | 1,350円 | 2,001円 | +65,100円 | 1.48倍 |
TORICO | 14.2% | 1,700円 | 2,510円 | +81,000円 | 1.48倍 |
メンタルヘルステクノロジー | 14.9% | 630円 | 880円 | +25,000円 | 1.40倍 |
もちろんオファリングレシオだけで、IPOの初値が評価できるわけではありませんが、知っておく参考になると思います。
オファリングレシオが「40%以上」なら公募割れリスクも…
オファリングレシオが40%以下の7件を詳しく見てみると、4件が公募割れ(初値が公募価格を下回る)しています。
一方でオファリングレシオが高いIPOに応募する際は、注意が必要です。
スクロールできます →
IPO企業 | オファリングレシオ | 公募価格 | 初値 | 初値売り利益 | 初値騰落倍率 |
---|---|---|---|---|---|
セイファート | 64.9% | 1,120円 | 1,030円 | −9,000円 | 0.92倍 |
Recovery International | 45.4% | 3,060円 | 2,640 | −42,000円 | 0.86倍 |
ビーウィズ | 44.4% | 1,400円 | 1,320円 | −8,000円 | 0.94倍 |
ストレージ王 | 41.9% | 660円 | 756円 | +9,600円 | 1.15倍 |
ペットゴー | 41.4% | 550円 | 1,295円 | +74,500円 | 2.35倍 |
エフビー介護サービス | 40.5% | 1,400円 | 1,561円 | +16,100円 | 1.12倍 |
ジャパンワランティサポート | 40.4% | 1,640円 | 1,480円 | −16,000円 | 0.90倍 |
オファリングレシオを初値予想に役立てよう
オファリングレシオは、日本取引所グループのホームページで発行済み株数と公開株数を調べて、先ほどの計算式から求めることができます。
【まとめ】オファリングレシオとは
この記事では、オファリングレシオについて解説しました。
オファリングレシオは、初値を予想する際に重要になるデータです。IPOに応募する際は、必ず確認して初値予想の参考にしましょう。
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